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Webディレクションに活かせそうな歯医者の治療エピソード7つ

 

今日はちょっと違う視点からWebディレクションというものを考えたいと思います。

最近、プライベートで歯医者に通っているんですが、この先生との会話が非常に参考に、また自分を見つめ直すきっかけになったのでエントリーしようと思った次第です。
本文とはあまり関係ない前置きが続いて申し訳ないのですが、以前から「医療業界」と「IT業界」は非常に似ているな、と個人的に思っていました。

  • 日常身近にあるにも関わらず業界事態は非常にクローズな世界の業種であること
  • 専門用語が多く、素人にはとっつきにくい世界であること
  • 最近、サービス業としての意識がクローズアップされていること
そんな認識もあり、医師の方の説明を自分が顧客に説明しているのと重ねあわせながら聞いてみました。


選択権は顧客にある


まず歯医者の先生が僕に投げかけた質問は「目の前の虫歯の治療に専念するのか」「自分の歯のオーナーとして将来的に虫歯の出来ない歯にするためのメンテナンスを行っていきたいか」という問いかけでした。
もちろん僕は後者を選び、そこから治療が始まったわけですが、これはWebサイトのリニューアルの案件でよく似ているパターンだなと思いました。

Webサイトのリニューアルで例えると「とりあえず見た目の美しさを改善するためにデザインを一新するのか」「将来的に問い合わせが増え、営業ツールとしての一役を担うのか」という選択肢に置き換えられます。
当然、圧倒的に後者の方が需要が多く、ほとんどの顧客がそう選択するでしょうが、「全員」がそうか、と言われれば答えは「No」となるでしょう。

僕は中途半端な経験則から「前者を選んでもプロジェクトの進行中に後者に変更するケースが多々ある」という経験を何度もしてきて、その度にプロジェクトがちゃぶ台をひっくり返されるが如く暗礁に乗り上げた苦い経験があります。
最近の僕はプロジェクトの「先を見る」ということに囚われすぎていたことやもともと仕事に対する自分なりのポリシーを強くもつ性格もあり、「リニューアルするならば営業ツールとしての役割を担う仕組み作りを行うべき」と固執した考えで顧客に接してた気がします。

「選択肢は顧客にある」というのは当たり前の話なのですが、「可能性ある全ての選択肢を顧客に提示する」「顧客の心変わりを責めるのではなく、それに柔軟に対応する力」を身につけなければと考えを改めさせられる質問でした。


遠い未来の成功イメージを共有する


上記の会話の中で後者を選んだ僕に先生は歯の磨き方を教えてくださいました。
歯周病は40~50歳でなるケースが多いそうですが、「この磨き方を続けていけば歯周病のなる確率(つまり総入れ歯になる可能性)は非常に少なくなる」とアドバイスをいただきました。
つまり遠い未来の成功イメージを共有することで「今すべきことは時間をかけて(非常に面倒くさい)歯の磨き方をすること」を認識(教育)ところまで落とし込む必要性があるということです。

Webサイトの日々のメンテナンスも非常に単調で面倒くさい作業が多いのが現状です。
単に「SEOに有効だから」という説明だけでブログを書くように顧客を教育のではなく、「将来、1人分以上の営業マンがいるぐらいの成果を出すWebサイトに育てるんだ」というイメージを共有しながら顧客と向きあう必要があるのではないかと思います。


目に見えないものは明確な説明が必要


今の歯医者の先生で今までの歯医者と一番違うところが兎に角説明が多いというところです。
今から行う治療はもちろん、新しくだした機器の説明まで一つ一つ説明をされます。(歯科衛生士の方ももちろんそうです。)
(余談ですが歯医者で有名なウィーンと鳴る先端の細い機器は実は歯を削っているのではなく、振動で歯石とかを取る仕組みらしいです。小さい頃から色んな歯医者にお世話になってますが、ずっと削られてると思ってました。)
なんでここまで説明するのかなと疑問に思うぐらいされます。本当に。

最初は「医療サービス」が徹底されている歯医者だなとしか感じ無かったのですが、もう少し深く考えてみると「歯の中で何が行われているのかわからない分、説明を受けると非常に安心する」ということに気づきました。
ITも目に見える商品(サービス)を売っている商売ではありません、もしかしたら自分たちが思っている以上に顧客は不安が大きいのでは?と感じました。

自分たちは十分の説明しているつもりでも顧客はまだ不安を抱きつつ成果物を待っているのかも知れません。
成果物が出来上がるのを本当に安心して待っていただけているのか、もう少し神経を向けた方が良いのかも知れません。


事実と主観を分けて明確に伝える


これはどちらかと言うと対制作者に適応するケースが多いかもしれません。

虫歯のなるまでの課程のお話をしていただく際には全て歯切れよく話されていた口調が
歯周病の説明をしていただいた時は「歯周病は全身疾患を引き起こす原因になる ^ と言われています」と仰られました。
文章では分かりにくいかもしれませんが「なる」と「と言われています」の間に一呼吸おいた話し方をされていました。

上記にも記載したとおり、あらゆるシーンで説明をされる先生なので色々聞いているうちに
恐らく「と言われています」という語尾になる場合、まだ学会で医学的に完璧に立証されたお話ではないのかと思います。

つまりWebディレクターとして制作者と接する際、「言ってた話と違う」や「出来上がってきたら顧客に丸ボツになった」などの話をよく聞き、また自身もよく体験したことがあるのですが、実はこんな些細な言い回しが大きなズレを生むのかなと思います。

例えば
ディレクターが「安心したイメージにしたいから緑ベースで」とデザイナーに指示するとデザイナーは「緑ベースまでが指定」と捉え、指示通り緑ベースでデザインを作り始めます。
しかし、実は顧客からの要望は「安心したイメージ」までが事実で「安心したイメージといえば緑だろう」というディレクターの意思(主観)を(勝手に)加えた指示になってしまっています。

この場合は「お客さんから安心したイメージで作ってって言われている、緑ベースがいいと思うんだけどどう思う?」などのどこまでが事実でどこからが主観なのか、を明確に分けた話し方を心がけた方が3者の認識のずれが少なくなるように思います。

すごく細かいことかも知れませんが、実はこの当たりがごっちゃになっている人は多いような気がします。
自身も口癖と思われるぐらい伝え方を徹底したいと思いました。


結果には必ず原因がある


この先生とお話をさせていただいて一番共感できたのは先生のこのセリフでした。
虫歯になるのには必ず原因があると。(歯をちゃんと磨けていないという話ですが)

これも当たり前といえば当たり前なのですが、
上手くいっていないWebサイトは必ずどこか原因があるわけで、そこを根本解決しない限りは何度やっても意味が無いということです。

またその原因を探りだすのがWebディレクターの大きな役割の一つかと思います。
顧客がこうしたいからこうする、のではなく上手くいっていない原因を徹底究明し、顧客に最大限の選択肢を提示し、選択してもらう姿勢が必要なのかなと思います。


会うたびに毎回何かお土産を渡す


現在、正しい歯の磨き方法をマスターすべく(一番上のエピソードで後者を選んだから)歯磨きの技術向上に邁進している日々なのですが、通っている歯医者では毎回自分の使っている歯ブラシで「歯磨きワンポイントアドバイス」をしてもらえます。「ここに磨き残しがあるのでこう磨いてください」「ここはうまく磨けていますね」など。

プロに褒められると嬉しいもので(僕が単純なだけかも知れませんが)もっと上手く磨いてやろうとモチベーションが上がったり、何より一つ新しい知識を得たということで「得した気分」になります。

普段、「付加価値を高めて受注金額の価格をあげよう」とWebの人たちは自分たちにも顧客たちにも言う人が多いのですが、もちろん長期的な戦略や付加価値を感じてもらえるサービス体制なども必要だと思うのですが、小さなところで言えばこの「歯磨きワンポイントアドバイス」も誰にでも出来る付加価値のつけ方なのかなと思います。

ディレクターという職種上、顧客と折衝するケースも多いのでお会いしたら何か知識であったり役立つ情報を置いていく。
その小さな積み重ねが「付加価値」であったり、またこの人と会いたいと思わせる「ファン作り」であったり顧客との信用を深めていく行動なのかなと思います。


自社のWebサイトを持つことがWebからの集客が出来るということではない


これは歯の治療とは関係なく、しかもこれを書けば全国の制作会社さんから怒られそうなのですが、極論としてお読みください。(しかし事実です。)

僕はこの歯医者をインターネットで調べたのですが、実はこの歯医者さん自院のWebサイトをお持ちではないです。
聞いたわけではないですが、住所と名前で打っても出てこないので恐らくお持ちではないと思います。

僕が見たのはとある口コミサイトでした。
そこで多くの方がこの歯医者さんを絶賛していたのでこの歯医者に行ってみようと思いました。

よく僕らは「Webの集客するためにWebサイトを持ちましょう」と話をさせていただくのですが、これは「集客できる施策の術が増えるであったり、その可能性が高くなる」だけで
必ずしもそれが必須ではない、ということを頭に入れて置かなければ、と思います。

Webで集客するということは、Webサイトを持つことではなく、もっと違うところに目を向けなければいけないかと思います。


少し長くなりましたが最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これを読んでいただいた方に、何か気づきがあれば幸いです。

 
 
Category
Webディレクション
コミュニケーション・折衝
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